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人生は、奇跡の詩/La tigre e la neve/Tom Waitsの歌声を聴きたくて。 16:48
原題は英訳すると「THE TIGER AND THE SNOW」。
見れば意味が分かりますが、主人公の愛する女性が「麗らかな春に雪が降って、虎が私の目の前に現れるようなことがあったら素敵」みたいな、いわゆるあり得ない出来事がもし起きたら人生が変わるかも…というような発言(素振り、だけだったかな)をします。
つまり「奇跡」ってことですよね。
で、この邦題。
確かに、奇跡みたいな映画、ということなのでしょうね。

…が…。

うーん、私には響かなかった。
相変わらずなソフトな機関銃のようなロベルト・ベニーニのおしゃべりが、時にウザく感じるし、主人公の愛する女性の表情が、何を考えているか分からない神秘さを醸し出している…という演出なのでしょうが、この女優さんを知らない私にとっては、全くピンと来ない。
そもそも、“年増女の美しさ”って、日本人にはなかなか理解し難いものがある。
例えばカトリーヌ・ドヌーブ(フランス)、セシリア・ロス(スペイン)のような迫力のある女性や、モニカ・ベルッチ(イタリア)エマニュエル・ベアール(フランス)のような分かりやすい色気を持つ女性。それらなら「こういう美しさも有るわよね」と素直に思えるのだが、今回のような大人しいタイプの若くはない女優・そして役柄は、端的に、若かったらキレイだろうけど、と思ってしまう。

話が逸れましたが、ストーリーの軸は奇天烈で、こちらも響くモノは特に無し。
ただ、激戦地イラクにて親友の作家・Fuad(ジャン・レノ)の尊敬する老作家に、主人公が彼女への愛を語る言葉遊びに満ちた言葉たちは、ロベルト・ベニーニ健在、の見せ場なのでしょう、なかなか良かったですよ。
あとはジャン・レノをどうしてもシリアス俳優として見れないのは、私だけでしょうか…。顔がとぼけすぎてる。

大好きなトム・ウェイツのオリジナル演奏&出演が見られたのは嬉しいけど、
短いよーーーう!!


2005 イタリア

監督・脚本: ロベルト・ベニーニ Roberto Benigni
出演: ロベルト・ベニーニ Roberto Benigni、ニコレッタ・ブラスキ Nicoletta Braschi、ジャン・レノ Jean Reno、トム・ウェイツ Tom Waits
配給会社:ムービーアイ


Official Site
http://www.movie-eye.com/jinsei/
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キング 罪の王/The King/ガエルファン的には駄作 13:05
大好きな、ここ数年一番好きなガエル・ガルシア・ベルナルの最新作なのに…。
つまらないです!
プロモーションでは「アメリカの偽善をえぐる」とか何とか書いていますが、残念ながらそれほどの描き込みはされていません。いかにもインディペンデント映画らしい要素はもちろん幾つか持ち合わせてはいるのですが。
期待していただけに残念な気持ち。
演技としても、久々のウィリアム・ハートや一番波に乗っている若手・ガエルに、新しい何か・輝きは発見できません。
唯一ペル・ジェームズの瑞々しさ、という点では前評判どおりなのでしょうが、しかし映画界全体の中で特筆すべきキラメキかというと、これも残念。

配給会社の宣伝が「アメリカの偽善」と言っているのは恐らく、キリスト教という宗教に殉じる者の偽善、そして親子の絆というものの偽善あたりなのでしょうが、もともとこの父親役ウィリアム・ハートが牧師役・父親役そのどちらにおいても立派に見えない作りになっている=元からハリボテっぽく見せているため、“偽善”という概念自体当てはまらないように思えるのです。

ダメ国のダメ人間たちのダメ人生、そんな感じ?
それを例えば人間の悲哀を描く、おかしみを描く、などの調理をすれば、良かったのでしょうが、この作品からは、製作者が意図したであろう「愛に餓えた人間の残酷さ」「地位や愛情の脆さ」すら、あまり伝わってきませんでした。
な〜んでっかな。

唯一期待できるはずの“ガエルのセクシーさ”…も…。
だめだめ!
こんなの全然だめ。
彼はもっと怪しく、危なく、艶っぽく、出来る子なんです。
批評家あたりは「抑えた演技から立ち上る妖しい危険な色気が…」とか言いそうですが、こーーーんなの序の口どころか、彼の魅力は引き出されていませんよ。
演出悪すぎ!!(怒)


2006 アメリカ

監督・脚本:ジェームズ・マーシュ James Marsh
脚本:Milo Addica
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル Gael Garc?a Bernal、ウィリアム・ハート William Hurt、ペル・ジェームズ Pell James、ローラ・ハリング Laura Harring

配給会社:アミューズ

Official Site
www.king-movie.jp
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| サスペンス | comments(0) | trackbacks(8) | posted by cinemax
ドリームガールズ/Dreamgirls/怖い物知らずキャスティング 12:20
日本人の私としては菊池凛子に取って欲しかったアカデミー助演女優賞、Dreamgirlsが取ったと聞き、さほど観るつもりの無かったこの作品を観ることに。
結果、納得で帰ってきました。
はい、オスカーはあなたのモノですよね、と。

シンプルに、スカっとする歌声、盛り上がりのある映画、でした。

衣装やヘアメイクはとっても楽しかった。80年代ファッションが今見てもださく無いように洗練されていたし、ビヨンセの身体も顔も美しいこと!前髪&巻き髪のおばさんヘアだって、うぅんゴージャス!

さすがハリウッド大作、プロらしさが見えた!と思えたのはキャスティング。
なんだかストーリーそのまんま、声は今ひとつだけど美貌とタレント性勝負のDeenaにビヨンセ、ど迫力の歌唱力だがルックスはアイドル的とは言い難く性格も頑固なEffie Whiteに新人さん。落ち目の歌手役のエディーマーフィーも、確かに最近見ないもんね(苦笑)。
こんな、やっちゃったらマズイでしょ的などんぴしゃキャスティングをやってしまうのが、役者個々人がどう感じるか、なんかより、作品の=興行的な成功を重んじ、そしてその目論み通りの完成度に持っていってしまう「ハリウッドの頂点」っぽさ、を感じてしまいました。

だってビヨンセなんて、本当に今をトキメク、でしょ?
この映画見てしまったら、圧倒的なジェニファー・ハドソンの歌唱力に、ああビヨンセの歌なんて大したこと無いんだな、時代に合ってるだけなんだな、って、映画さながらに誰でも思ってしまうよね。
プロデューサー、5人くらい名を連ねているので、やはりビル・コンドン監督の手腕なんでしょうねコレ。さすがCICAGOでも頂点取った方、怖いもの知らず。


2006 アメリカ

監督・脚本:ビル・コンドン Bill Condon

出演:ジェイミー・フォックス Jamie Foxx、ビヨンセ・ノウルズ Beyonc? Knowles、エディ・マーフィ Eddie Murphy、ジェニファー・ハドソン Jennifer Hudsonダニー・グローヴァー Danny Glover

配給会社:UIP

Official Site
www.dreamgirls-movie.jp
| ドラマ | comments(0) | trackbacks(6) | posted by cinemax
悪夢探偵/NIGHTMARE DETECTIVE/素人でも楽しめるツカシン作品 15:21
大作メーカーでなく(=単館系監督で)、多作で、かつ世界で評価されているという、日本では希有な存在である塚本晋也監督。
こういう監督が増えないと、日本映画全体のレベルは上がらないのでしょうね。
逆に言うと、近年の邦画好調の波は、松竹・東映・大映のような旧態依然とした権力に入所して助監督を長年務めてからやっとメガホンをといった、子弟制度的な図式が崩壊し、若手が自らの交渉力で機を掴めるようになり、さらにTV局や広告代理店といった新しいスポンサーシップのあり方が確立してきたからだと言えるのでしょうけど、その先駆け的な存在がツカシンなのかな、という気がしませんか。

作家としてはいつの時代も寡作の方が格好良いし、有り難みがあるし、一作の重みがあるとされがちだけど(周防監督なんて12年ぶりの新作だっけ?)、結局作品が多く世に出回らなければ、お金も回っていかないし、人も回っていかない。圧倒的に世に見せる機会が少ないということは、それだけに世界の賞レースにも参戦すらできない、ということになり、知名度はやはり上がらない。
天才の多作というものぞ、ありがたきかなありがたきかな。

アーティスト気質&作品であるにも関わらず、出たがりなのか何なのか(笑)、俳優としても大作からインディペンデントまでずいぶん多くの作品に出演しています。
そのあたりが映画界の肝を握っている感じがします。

人の夢に入ることが出来るという奇異な能力を持つ主人公が松田龍平。
何者かと携帯電話で話した後に夢を見ながら自殺するという、奇妙な事件を追う女刑事にhitomi。

今回、なんとなく、松田龍平の魅力が理解出来た気がします。
邦画ファンではないので作品を多く見ていないため、これ以上のコメントは出来ないのですが、ただ飄々としているだけではない魅力が、感じられた気がします。

ストーリーの時代設定・地域設定が非常に甘いのは気になりました。高層ビルの近所にいかにも昭和な蛇口から水がぽたぽた落つるボロアパート、hitomiのスタイリングもワンレンボディコン時代としか思えないスーツもあれば、最初の被害者のゴスロリギャルは普通に今風…。
こういったディテールが、作品にリアルさを付加できるかどうかを左右するのです!

結局hitomi扮する女刑事のトラウマというか、彼女を全般的に苦しめている原因については解明されず、事件が解決しなんだかスッキリしている彼女に、こちらは合点が行かず。
原作(同名コミックだそう)読んでいないので、ストーリーについては語るまい。
彼女の演技についても、もちろん何も語るまい…。


2006 日本

監督・脚本: 塚本晋也
出演: 松田龍平、hitomi、安藤政信、原田芳雄、大杉漣、原田芳雄
配給会社:ムービーアイ

Official Site
www.akumu-tantei.com
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| サスペンス | comments(0) | trackbacks(39) | posted by cinemax
幸せのちから/The persuit of happyness/脇の下に汗、泣けないアメリカンドリーム 15:54
全財産25セント(かな?)のホームレスから、証券会社のオーナーに上り詰め、現在も好調な業績を維持しているChris Gardnerの実話。
原作の方も必読らしいですが、なんとなく触手が伸びず、映画を見ちゃう。

感動モノのお話ですが、何と言ってもアメリカン・ドリームについてのお話。米国人(or 米国社会)的“ハナにつく”箇所も、実は沢山あります。

何と言ってもウィル・スミス演じる主人公ですが、言ってみれば“イヤなやつ”的なストーリーも、幾度となく。
まず、例えば原題が本来「happiness」なのが「happyness」になっている所以ですが、子どもの通う託児所(保育園とは言い難いところ。預かってるだけで保育してないから)の外壁に「f○ck」と一緒に「happyness」と落書きされており、『ハピネスはyではなくiだ!消しておいてくれよ、スペルミスだぞ!」と託児所に何度も詰め寄るのですが、いかにも高等教育を受けていないしかも移民である(チャイナ系)彼らに、それって嫌味で自己中だよね。
実際に託児所の経営者女性に言われてしまった「支払いは遅いくせに主張だけは一人前ね」的発言に代表されるように、息子を愛するがあまりに、自分も努力はするが、周囲にもそれを求める。
日本人だったら恐縮しちゃって言えませんよね、自分は保育料の支払い遅れてるのに「TVばっかり見せるな」「壁の落書きを消せ」などなど…。

これを遠慮という言葉が辞書に無いアメリカ人的発想と鼻で笑うか、これだけの主義主張をするからこそ周囲を顧みず自分の幸せだけを掴む強さを得ると納得するか、「勝ち組・負け組」はココで違っちゃうんでしょうかね。
なーーーんて。

そんなうがった見方は脇へ押しやり、素直にストーリーを追えば、これはもう素直に感動します。
場内からすすり泣きが沢山聞こえました。
ところが、私は、泣けませんでした、一滴たりとも。

身につまされて。つまされ過ぎて。

「やばいやばい、頑張らなきゃ!頑張らなきゃ!」
焦らされただけでした。
イヤな汗が脇から出るような(笑)居心地の悪さを感じてハラハラドキドキ、一瞬たりとも心が落ち着きませんでした。
「ちょっと(自分が)甘えてるな〜」と思っている親御さんなら、見ておいた方が良いのでは?
自分はどれだけ家族のために生きているか、どれだけ家族を大切にしているか、仕事に全力を投じているか。
焦りますよ(苦笑)。

ところでこの母親役の女性、何で見たんだっけ??ええと…ボンド?な訳無いし…ナイスバディの役だったと思うんですが…。


2006 日本

監督・脚本: ガブリエレ・ムッチーノ Gabriele Muccino
脚本:Steve Conrad
出演: ウィル・スミス Will Smith、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス Jaden Christopher Syre Smith、Thandie Newton
配給会社:ソニーピクチャーズ

Official Site
http://sonypictures.jp/movies/thepursuitofhappyness/

| ファミリー | comments(12) | trackbacks(7) | posted by cinemax
クリムト/KLIMT/世紀末のお勉強 17:09
大好きな画家、ウィーン世紀末に活躍したクリムトの映画とあって、見ない訳には行くまいと、勇んで映画館へ。
結果、大満足はしなかったけど、ま、いいでしょ、こんなもんでしょ、と及第点。

だいたいにして、この類の映画はこれで良いのだ。
クリムトという画家の立ち位置からして、万人に感動や感銘を与えるタイプではないし、それをむやみやたらと誇張するのもいけない。というより必然性が無い。
一時代を築いたと言っても、当時から賛否両論激しかった訳だし、今でも「どこかの家のトイレでカレンダーになってたのを見た気がするけど画家の名前は分からない」絵画であり、それ以上でも以下でもないし、それで良いのだ。愛好家だけが喜んでいればそれで。

映画も、“きちんと”そのように作られていた。
特にチャレンジングな手法を用いたりすることも無く、しかしクリムトの狂気を孕んだ作風や資質をきちんと伝えるための工夫は過不足無く画面に施されており。
そう、過不足無いのだ。
それでいーんじゃない?ザ・単館系映画。ってこと。

(エゴン)シーレ役の役者がいい。これから来そうな感じむんむん。あ、もうキテるの?知りませんでした。

実際にクリムトがデザインした衣装を再現しているらしい。その辺り・衣装や美術は“過不足無く”世紀末の耽美で退廃的なカホリを漂わせていましたね。
歴史のお勉強としては、この頃“動画”というものが作られ始めたこと、そしてパリ万博が開催されたまさにその時であった(1900年)ことなどがエピソードに絡められているのが、横軸の繋がりが分かって良かったです。



2006 オーストリア/フランス/ドイツ/イギリス

監督・脚本: ラウル・ルイス Raoul Ruiz
出演: ジョン・マルコヴィッチ John Malkovich、ヴェロニカ・フェレ Veronica Ferres、サフロン・バロウズ Saffron Burrows、スティーヴン・ディレイン Stephen Dillane、ニコライ・キンスキー Nikolai Kinski

配給会社:メディア・スーツ


Official Site
http://www.klimt-movie.com/
| 歴史 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by cinemax
ラッキーナンバー7/LUCKY NUMBER SLEVIN/やっと魅力爆発 02:52

見る前からずっと気になっていたのは、邦題の付け方。
原題(英語)はLUCKY NUMBER SLEVIN、そう、SEVENではなくSLEVIN。主人公の名前。
ラッキーとは決して言えない不運続きのイギリス人男子の物語。
日本語にするとね、スペリングで遊ぶのは難しいので、どうしょうもない落としどころだったのでしょうか…。

主役のジョシュ・ハートネット、“ブラック・ダリア”http://www.black-dahlia.jp/
の彼です。
ついに「キター!」って私はプチ叫びます。
やっと、ついに。彼の魅力が爆発した感じ。
とっくにハリウッドの若手で注目株だったはずの今まで、ブラック・ダリア含め、まだまだ何故か、今ひとつだった気がするのです。なんか差別化を図れていない。
並みいる競合の中で、やはりUSP(Unique Selling Proposition)独自の優位性が無いと、立脚できない訳です確固たる地位を。

ですが、今回来ましたよ。彼のセクシーさ、出ました。
相手役が日本でもおなじみLucy Liuなのが少々役不足的に思える節もあるけれど、イイです!セクシーです!
超美形、超クール、超インテリジェントって感じではないのですが、やはりちょっとカワイイ系/守ってあげたい&ちょいワルっぽい感じもするので、遊びも良いかも、的な。
何がセクシーって、やはりダイレクトにカラダ、そして笑顔です!カワイイよー。
役柄的に魅力を生かせるような感じがします。こういうの、いわゆる当たり役というのでしょうね。

モーガン・フリーマンと“ガンジー”Sirベン・キングスレー、敵対し合う組のボスなのですが、どちらも悪役には見えないんですよねー印象として。
どーしても、良い役ってイメージが…。

作品自体は、クライムものというよりは、男子の生き方の方に多少重きを置いている向きはあるように私には見えます。
どんでん返しとか無いことは無いのですが。
日本では一生懸命「謎解き!」「騙し合い!」と、上記クライム系マスト作品を踏襲した宣伝していますが。
もちろん“ユージュアル・サスペクツ”や“Oceans 11”ほどのインパクトは無いにせよ、クライムものとしてもそこそこ良く出来てると思うんだけど、日本の宣伝の仕方はちょっといまいち。インパクトに欠ける。
配給アートポートね…。ちと残念。


2006 アメリカ
監督:ポール・マクギガン Paul McGuigan

出演:ジョシュ・ハートネット Josh Hartnett、ブルース・ウィリス Bruce Willis、ルーシー・リュー Lucy Liu、モーガン・フリーマン Morgan Freeman、ベン・キングズレー Ben Kingsley ほか
配給会社:アートポート

Official Site
http://www.lucky-movie.jp/

| 犯罪 | comments(0) | trackbacks(7) | posted by cinemax
麦の穂をゆらす風/THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY/美しい絵、厳しい現実 02:15
2006年カンヌのグランプリ、パルムドールを受賞した作品です。
まず何も言わずに日本語公式サイトを、ぜひ見てみて下さい。
http://www.muginoho.jp/
まず、写真の美しさに眼を奪われるでしょう。
それは華美に装飾した美しさとは対極の、アイルランドの大地の美しさと、ケン・ローチ監督のドキュメンタリストとしての対象との向き合い方の真摯さ・まなざしの強さが、感じられる美しさです。
また、角界の著名人のコメントが載ってますが、本当に納得なコメントばかり。
フランス人大御所監督や、アカデミーノミネート名物俳優の素直な感想に、「うんうん」です。

余談から入ってしまいましたが、何故かと言うと。
少しでもこの映画を見てくれる人を増やそうと、私のつたない映画評より公式サイト見て魅力を感じてもらい、映画館に走ってもらおうという策略でした…。

それだけオススメしたい映画。
世界中の人に見て欲しい映画です。

特に今の時代、富んだ社会の住民も心が病んでいる、貧困や紛争にあえぐ社会の人々の苦痛は増え続ける一方、こんな今だからこそ、知らなきゃいけないこと、気付かなきゃならないこと、考え直さなきゃならないことがたくさんあるはずなんです。
それを改めて突きつけられる、涙なくしては見られない作品。

争いは、本当に辛い。
争いをなくすために、私は今どう生きたらいいの?
日々考えて、一歩ずつ行動したい。

あとは、全く知らなかったアイルランドのイギリスからの独立の歴史が、とっても良く分かるのです。そして今はテロ組織と認識されることもあるIRAへと繋がる背景もね。

主役のCillian Murphy、真珠の耳飾りの少女(Girl with a Pearl Earring)に出ていたヒトか…。そう言われれば…レベルの思い出し方ですが。スカーレットヨハンソンの彼氏になる肉屋の息子ですよたぶん。おお!いかにも下町の男の子っぽい風貌っと思ったのを思い出す。美男子とは違うね。かといって私の好きな「弱系(母性本能くすぐられ系)かつインテリ君」タイプとも少し違うなあ。

鉄道の運転手役のリーアム・カニンガムは、私のベストフェイバリット監督WinterbottomのJude(日蔭のふたり)にも出てましたか…。全く記憶にありません。いかにもイギリス的名脇役、といった風貌です。
でも、イギリス映画って、当たり前ですがハリウッドとはかけ離れた市場にあるので(興行的・ターゲット的に)、どうしても駒は圧倒的に少ないんですね。しょうがないけれど、次に来る俳優が探しやすくもある。

こういう作品が全世界で興行的に成功して、より多くの人が現実に気付いてくれて、さらにこういった作品をもっと多く創ることが出来るような、そんな世の中になって欲しい。
そして最終的には…こんな作品の事実が世の中から消え去り、啓蒙する必要が無くなればいい…。
理想論すぎるよね…。


2006 アイルランド、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン
監督:ケン・ローチ Ken Loach

出演:キリアン・マーフィ Cillian Murphy、ポードリック・ディレーニー Padraic Delaney、リーアム・カニンガム Liam Cunningham、オーラ・フィッツジェラルド、メアリー・オリオーダン Orla Fitzgerald ほか
配給会社:シネカノン

Official Site
http://www.muginoho.jp/

| 戦争 | comments(0) | trackbacks(79) | posted by cinemax
イルマーレ/THE LAKE HOUSE/センスの悪さはスタイリストにも隠せない? 01:14
ご存知韓国の同名映画のハリウッドリメイク。なので今回の原題(英語)はThe Lake House....。
確かに「イルマーレ」ってレストランの店名だったけれど、あまりに前に出過ぎていない。これをタイトルにしちゃうハリウッド製作者は居ないでしょうね。日本では、アリなのか!?
韓国の原作がよほど日本で有名だということ?

大好きなキャロル・キング『It's too late』など、気になる楽曲の使い方。かなりメロドラマ的ではあるけど、音楽は悪くない。

話自体はファンタジックなメロドラマで(韓国が好きそうな純愛系?笑)、特に映像や構成の作り方も変わったところはない。ただ、ファンタジーなストーリー展開を“嘘”と思わせない、嫌味にならない、そんな配慮は出来ていた気がする。

それでも、一番のポイントはサンドラブロックのセンスの悪さだ。
誰かも批評で書いていたけれど、どうしてあんなに何を来てもダサく見えるのか。本当に不思議。
確かにファッションセンスは無いという設定の役柄は、出演作の中ではおそらく多い。でも、「ださくはない人」という設定の役の際も、何故に?と思うくらい、センスを感じられない佇まいだ。
顔?スタイル?表情?身のこなし?それだけじゃない何かがある。
もちろん今回のような役柄の場合は、スタイリストはきっちり仕事して「ださ目を演じ」られるようにしてるはずだけど、それだけではない何かが彼女にはある!
センスって、磨かれるものだけじゃなく、持って生まれたものもあるね。

劇場で観る必要は無いけれど、レンタルだとさらに借りなさそう、借りた後に後悔しそうな。
そんな映画。

2006 アメリカ
監督:アレハンドロ・アグレスティ Alejandro Agrest
出演:キアヌ・リーブス Keanu Reeves、サンドラ・ブロック Sandra Bullock、クリストファー・プラマー Christopher Plummer ほか
配給会社:ワーナー・ジャパン

Official Site
http://wwws.warnerbros.co.jp/thelakehouse

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シリアナ/SYRIANA/地球の陰謀より自分の頭が心配 01:30
日本公開時のコピー「地球は、陰謀で出来ている」のように、こういう事実が私たちを取り巻いていることを知ってもらうためには、出来れば皆に見て欲しい映画だけれど。
でも。
友人にオススメは、あまり出来ないかなあ。

前評判は「難解だ」という話だけど、見終わった直後は「難解というよりエンタメとしては不親切な表現方法だな」と思っただけだった。
4人の主人公を軸に、4つの視点から描かれているから、混乱しそうになる人は居ると思う。ただそれは、この類いの映画を見慣れている人なら問題無いわけで、問題なのは、「魅力的なプロットや人物が居ない=言いたいことが多すぎて、人物描写を丁寧にする時間が割けなかった」。
だから、ぐいぐい引込まれる要素が乏しく、入り込めない=なんとかストーリーを追おうとするだけになり=難解でつまらない!、という評価になっちゃうのかな、と。

これが例えば、この映画のクルーニー+ソダバーグの名作「トラフィック」のように、いくつものストーリーが交差しても、ベニチオ=デル=トロのように魅力的な人物の目線を通して観客が全体を追える方が、映画としては、親切=わかりやすい=伝わりやすい、んだと思うけどね。

ギャガン監督は、「そんな親切さなんて関係無い、分かるヤツだけ分かればいい」タイプなのかも知れないから。賛成も反対も無いけど、もったいないなあ〜って思いました。

あとは余談ですが、今から見る人は公式サイトhttp://wwws.warnerbros.co.jp/syriana/で人物予習はした方がいい。私もしてればもう少し理解出来たか…??

…ここまでが、見終わった直後の感想。


で。
私は物語全部を理解出来なかったので(こんなこと英国在住中、英語で映画を見た時以来)、誰か説明してないかなーとブログなどを検索してみたら…!!!
ほとんどが「わからなかった」。
残り10%くらいが、わかった人。
でも。分かったと言いつつ、「最後にはストーリーが結集する」と言うのだけど、その最後を書いてくれてるブログは無かったし(あたりまえ?)、解釈が、私の思ってたのと違ってたりする!
(米国公開時コピー“Everything is connected”。すべては、繋がっている……つながりませーーん!!)


…で、自分の頭が心配になったわけです。
もともと、国際政治にもエネルギー業界にも中東情勢にも弱い私ですが、そこが問題ではないと思うんだよね。単にストーリーを追えるかどうかという基本的な能力が…。

で、誰か教えて欲しい(私の間違いを正して欲しい)なあ…。
<観てない人はここから先読んじゃダメ>

1) CIAに捨て駒にされてたコトに気づいたCIA諜報員クルーニーは、最後に、CIAによるナシール王子(兄)暗殺を止めようとした、という見解って、正しいの!?観た直後から、これどっちだろう…って。
止めようとしたには、やり方が稚拙過ぎませんか?
だから、クルーニーも、ナシールを殺そうとしたのかなって…。
(そんな訳、なさすぎ?)

2) ナシール王子が善意の人、アメリカ政府やエネルギー企業が悪者、的に書いてある=富と権力を渇望するアメリカや企業の悪を暴く映画、という見解は、正しいの?
だって、ナシール王子の裏の顔は、ミサイルを奪った過激派+イスラム神学校の主導者=自分の野望を阻止したアメリカ企業の石油採掘船にテロを仕掛けた張本人でしょ?
(いずれにせよ、ナシールはアメリカの敵ではあるのだけど)

3)若い経済アナリストのマットデイモンと、ナシール王子はお互いの理想主義者的性質部分で理解(尊敬?)し合うこととなり淡い友情?で結ばれ…的な解釈は、正しいの?
だって、ナシールを家族と共に4番目の車に乗せたのはマットデイモンでしょ?で、足早にその場を立ち去り。
それが息子の報復=一番良い人に描かれている人物が、一番恐ろしい人間だった、って話じゃないの?
(ただ、それなら、どうやってデイモンとCIAが繋がったか不明だけど…。)
もしくは、上記2)をデイモンも知り、良い人間だと思っていたナシールに裏切られ(ナシールの行動の非道さ)傷ついた上での報復、という話?

あ〜。わっかんないなあ。もう一回観るか原作読むか。どっちもいやだなあ。


2005 アメリカ
監督・脚本:スティーヴン・ギャガン Stephen Gaghan
製作総指揮:ジョージ・クルーニー George Clooney
スティーヴン・ソダーバーグ Steven Soderbergh ほか
原作:ロバート・ベア Robert Baer(『CIAは何をしていた?』)
出演:ジョージ・クルーニー George Clooney、マット・デイモン Matt Damon、ジェフリー・ライト Jeffrey Wright、アレクサンダー・シディグ Alexander Siddig、クリス・クーパー Chris Cooper ほか
配給会社:ワーナー・ジャパン

Official Site
http://wwws.warnerbros.co.jp/syriana/


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